映画『天地明察』から見る、日本暦の歴史

映画『天地明察』から見る、日本暦の歴史

現在使用されている暦についてその歴史を紐解いた映画『天地明察』が公開され、意外と知らない日本の暦形成までの苦悩と葛藤を知ることになった作品だ。何気なく使用しているカレンダーは、まだまだ世界でその技術を切磋琢磨して形成している。ここは天地明察のテーマにもなった暦を、ここでは映画と小説の内容と共に考えて考察するサイトとなっている。

太陽暦に属する新たな暦法

つい最近提唱された暦法

世界規模で現在利用されているグレゴリオ暦だが、一部の教会においては導入することは出来ないとして過去の例において利用されていた暦をいまだに使用し続けている。ただグレゴリオ暦としても色々と問題点があると提唱され、現在までに知らない議論上で論争が展開されている事は理解してもらえただろう。どうしようもない物押し問答の中。2012年にグレゴリオ暦の不合理さを是正しようとする、そんな新しい暦法が編み出された。それが太陽暦に属している暦法であり、ここ数年で突如として出てきた新たな勢力ともいえる『ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダー』というものが登場した。

世界暦・13月の暦といったような時間の中で提案されたテーマの中に、さらにとまた1つ違う理論が登場するわけだが、この暦法が一体どのようなものなのかを考察しながら考えてみよう。

概要と利点

このカレンダーは1996年に『ボブ=マクリノンズ・リフォード・ウィークリー・カレンダー』という暦法をベースにして考えられたもので、各四半期ごとの日数を91日ずつにすることによって、四半期の初日の曜日を全て同一にすることが出来る。その一方で『閏週案』という新しい概念を導入したものとなっている。この概念は大体5年程度にて1度53週目が挿入することによって均等になると考えられている。またこの暦法を導入することで毎年同じ曜日と日数が同一となって、毎年日付を定義する必要もなくなってくる。グレゴリオ暦に見られる問題点を解消することが出来ると言われている。

導入についてもおおよそ混乱を起こす事無く、比較的スムーズに移行することが出来るとも言われている。月の長さについてもグレゴリオ暦と比べたとしても非常に平等となっているのも大きな特徴となっており、こうした点も交えて導入について考えてみるのも悪くはないと言われている。

利点についてはこのようなところだ、では欠点について考えてみると分かるのが、世間体有様だけで考えれば由々しき問題を発生しかねることになると考えられる展開になってしまう。

欠点として

この暦法を導入することで問題となる点にはまず最初に、13日の金曜日が世界暦同様毎年必ず4回も訪れるという点だ。これについてはとにかく不吉だから縁起でもないという点で却下されている。この点についてはあれこれ問答をしなくても良いとしてもだ、どちらかといえば問題として考えなくてはならないのは、宗教上ではなく一般市民として生活している我々だろう。このカレンダーがもしも導入されるようになったら起こりうる問題としては、大体次のようなものだ。

  • 1:天文学的な現象が暦日と大きくずれてしまう
  • 2:住宅ローンなどの支払いが長期に渡る商品において、追加の一週間によって利子計算などの処理が複雑化してしまう可能性がある
  • 3:53ヶ月を挿入するタイミングが、『○で割り切れる年』といったような単純なものにする事が出来ない

上記のような問題点が挙げられる。1つめは学者として考えた場合においても問題とするべき点なので良いとして、問題は2つめと3つめについてだ。こちらは消費者としての立場で考えると非常に由々しき問題になる。住宅ローンの支払いなどの複雑化、そこには給与といったサラリーマンとして考えた場合にはとんでもないことになりかねないからだ。またこうしたケースを元に考えると、同じように追加週期間の計算についても煩雑になりかねないため、下手をすれば手間を省くために不正を助長する手助けをしてしまう恐れもあるかもしれない。

計算できないという意味で考えられるのは月としてもそうで、単純にこれで割れればいいだろうという単純性を何とか維持するためにも、現行のグレゴリオ暦との併用が必須となってしまう。廃止する以前に、グレゴリオとの共存も兼ねて導入すべきだと提唱すればまだ可能性はあったかもしれないが、ベースがあるものを改良して考え出されたものにしては穴だらけだという印象が取れる。グレゴリオ暦の不合理を是正したいとする考えは分かるが、そんな中で新たに登場した暦法についても改善しなければならない欠点が多く含まれているのでは、些か本質からそれてしまっていると感じられる。

グレゴリオ暦との今後

こうして世界で現在までに騒がれている暦についての改善や提唱、そして新たな暦法を導入することによって是正するべきだという意見があちらこちらで出ているのが分かった。そういった点を踏まえて考えると、渋川春海が成し遂げた大和暦を作り出した事実、これは非常に功績のある所業としてみるべきものだ。様々な反対意見を受けながらも、また後ろ盾として権力者たちに愛されていた事も関係していると思うが、それでも絶え間ない努力の結果として日本初の暦法を獲得することが出来たというのは、感嘆に値する。

決して簡単なことではない快挙ということで、こうした世界で巻き起こっている暦についての論争を交えて、沖方丁は渋川春海を尊敬していたのかもしれない。そして劇場で何気なく語られている史実を目の当たりにして、暦を少しばかり勉強して見るのも悪くはないかもしれない。